アライアンス・フォーラム財団

ビジョン

発展途上国から必要とされる日本に

当財団では、多くの日本の若い人たちに、海外ボランティア・途上国支援に参加して欲しいと考えております。その為の人材育成、ボランティア派遣の組織作りを行っています。

この貧困層の生活を大幅に改善させる可能性を秘めている、マイクロファイナンスの事業を、日本人の手で広く世界に展開出来る仕組みのひとつ、第一段階として、BRAC大学と共同のプロジェクトを進めることとなりました。

本研修コースはマイクロファイナンスの事業を世界で展開する専門的な人材の育成を目的としています。企業、行政、NPOなどさまざまな側面からマイクロファイナンスを通じた途上国支援に携わる人材の活躍を心より期待しています。

 

 

マイクロファイナンスWEBインタビュー

語り手:原丈人  聞き手:中島

 マイクロファイナンスWEBインタビュー2009/08/05

 

── なぜマイクロファイナンスの大学院を設立するのでしょうか。

 

途上国においては先進工業国のように民間企業で雇用される機会が少なく、結果的に自ら事業を起こす必要が出てきます。そこで、マイクロファイナンスの手法がとても有効になり、途上国においてマイクロファイナンスは高い需要があります。アメリカなどでアカデミックな研究はされていますが、実際にマイクロファイナンス事業の経営ができる人材を養成している機関は前例がありません。当財団では、マイクロファイナンスをツールとして、途上国の貧困層の自立に貢献する人材を日本から輩出したいと考えています。

 

── なるほど。民間による途上国支援は、理論だけでなく、実践する人材育成が大切なのですね。
        では、どういう経緯でNGOのBRACと組むことになったのでしょうか。

 

もともと共同でbracNet社(※1)という会社を立ち上げた経緯があります。
マ イクロファイナンスは、もともとBRACが始め、グラミン銀行が世界に知らしめました。現在世界60カ国余りで、マイクロファイナンスは実践されていま す。BRACには創業の精神、根本の理念があり、そのBRACが有するBRAC大学と組んで、マイクロファイナンス事業の経営ができる人材を輩出していく ことにしたわけです。

(※1 BRAC40%、デフタ・パートナーズ他民間企業60%の出資による合弁会社で、最先端技術を用いてバング ラデシュで遠隔医療・遠隔教育に取り組む。現在は、インターネット・サービス・プロバイダー事業や、農村部に“e-hut”と呼ばれるビジネスセンターの 構築などをしている。利益の4割を地域の教育・医療改善に還元する。)

 

── 卒業生にはどのようなことを期待しますか。

 

マイクロファイナンスを一つのツールとして、それぞれの分野で貢献してほしい。
マ イクロファイナンス事業を途上国で経営するもよし、企業においてマイクロファイナンスの手法を用いるもよしです。特に金融機関に勤務している人は、組織を 変えていくのにマイクロファイナンスの手法が有効ではないかと思います。理論と実践についてのアイデアやヒントをこのコースにより学んでもらいたい。

 

── マイクロファイナンスの手法とはどういったものですか。

 

金融の本来の役割を全うするのがマイクロファイナンスの手法といえます。
金融の仕組みの中には、「顔の見えるファイナンス」と「顔の見えないファイナンス」があります。新しい金融、公益資本主義の基本は、「顔の見えるファイナンス」です。その「顔の見えるファイナンス」の根本的なものがマイクロファイナンスです。
家を買う、事業を起こす、などの実体的な目的のために資金を融通し、世の中に役に立つこと。つまり「顔の見えるファイナンス」こそが、金融業の本来の役割でしょう。
しかし現在では、証券など金融商品による「顔の見えないファイナンス」が主流です。そのため、実体がないまま、お金を増やすこと自体が目的になってしまう。それが今回の金融危機をもたらした一因です。
低所得で担保もない人々に、無担保でお金を貸し、自立を促し、中所得層まで引き上げることは、「顔の見えないファイナンス」より、ずっと社会的意義が高いといえます。

 

── なるほど。「顔の見えるファイナンス」が大事なのですね。
        つまり地域で集まった預金をもとに、資金循環をするということでしょうか。

 

「地産地消」という言葉のように、信用金庫など地域で集めた預金は地域で使うというのは基本です。しかし、バングラデシュやアフリカ諸国など、地域にお金が全くない場合も多い。最初は先進国から資金をもってくる必要があります。

 

── その場合も「顔の見えるファイナンス」は可能でしょうか。

 

できます。例えば、 資金は一切ないが、養鶏場を作りたい人がザンビアにいるとします。そこに外部から、マイクロファイナンスの形で原資を持ってきます。そしてマイクロファイ ナンスのプロが、現地の人々の生活や家族の事情まで知るJICAの隊員や現地にいるNPO職員と協力します。現地のコミュニティ間での付き合いがある限 り、借り逃げやだましはできないもの。あとは借りた原資をもとに、現地の人々が養鶏場を経営していけば彼らの生活は豊かになります。また地域の資金循環も 可能になります。

 

── 現地の人々の生活の安定や、実業支援のためにマイクロファイナンスのプロが必要なのですね。

 

そうです。そのために民間団体としてBRACと共同でプロ養成に取り組みます。
人道的支援に限っては、慈善活動は大変有効だが、民間でも支援できる分野において、いつまでも補助金や援助に頼り続けることは途上国の人々にとっても好ましいことではありません。本当に途上国の人々が自立できるような仕組みをつくることが大切です。
我 々の本業である「技術を使って世界を変えるテクノロジー・キャピタル」の経験がマイクロファイナンスの分野で活かせると考えています。マイクロファイナン ス分野に、我々の取り組んでいる先端テクノロジー・キャピタルを導入し、bracNet社のように、その技術や利益が途上国の必要分野に還元される、新し い仕組みが世界中で広まることを期待しています。マイクロファイナンス+テクノロジー・キャピタルという考え方が途上国を大きく変えていく原動力になると 思います。
これからの最先端は途上国。途上国の発展は先進国にとっても重要です。

 

── 最後に、読者の方に一言メッセージをお願いします。

 

考えているよりも実践することです。迷っていたら、このコースを受けたらいい。
実践して、失敗してからこのコースを受けにくるのもいいですよ。