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DSシミュレーター

アライアンス・フォーラム財団では、早稲田大学商学部スズキ・トモ教授(アライアンス・フォーラム財団エグゼクティブフェロー)の全面協力のもと、付加価値分配計算書(Distribution Statement:DS)のシミュレーターを公開いたします。

このシミュレーターでは、実際の財務データを入力することで、企業の付加価値が現在どのように分配されているのかがわかり、さらにいくつかのパラメーターを変更することで、どのように分配することが可能だったのかがわかります。

当財団が提案する「公益資本主義」の3本柱のうちの一つは、付加価値の社中(ステークホルダーと読み替えても可)での公正な分配です。
株主資本主義が主導する株主還元への極端な偏向を是正し、社中への公正な分配を行うべきであると考えますが、その分配の比率は企業の自主性に任せるべきです。

このDSシミュレーターでは、まさに企業が考える分配の比率をパラメーターで自由に変更することができ、各企業の社中分配を考えるうえで、重要な指標を提供することができます。
公益資本主義の実践を即時に体感できるDSシミュレーターをご活用ください。

なお、経営の課題をDSで解決したい、DSの自社の経営での活用を検討したい、より深く知りたいなど、当財団にてご相談に応じます。お気軽にご連絡ください。

DSsimulator

(クリックしてシミュレーター起動)

DS(付加価値分配計算書)とは

日本は成熟経済を迎えました。図1は日本全体の状況、1960年を1としたときに、各項目がどれだけ伸びたかを示しています。例えば、売上げは30倍に伸びましたが、1991年以降、今日まで横ばいです。従業員給与や役員報酬は徐々に減少し、研究開発費は低下しています。一方、注目すべきは株主還元額です。株主還元額は1960年と比べ100倍以上に伸びています。売上げが横ばいになっている中で、従業員給与/役員報酬を維持しながらも、株主還元のために高い利益を出すことを求め続けた結果、研究開発費など必要な経費への分配が減ったのです。

そこで政府は、2000年初め頃から、投資家保護策や優遇政策、IFRS(国際会計基準)、四半期開示制度を導入し、投資を促し、研究開発費を増やして企業の競争力を上げる政策を行いましたが、結果としては、資金調達はなされずに株主還元がさらに増加してしまいました。

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図1

なぜ、このようなことが起こってしまったのでしょうか。原因の一つとして、現行の損益計算書の構造が挙げられます。図2に示す現行の損益計算書では、株主だけでなく、経営者も当期純利益の最大化を求める構造になっており、そのために、研究開発費や給料などの費用を最小化する必要があるのです。そこで、会計フォーマットを変えることによって、経済行動を変え、望ましい経済/社会政策を達成するために開発されたのが付加価値分配計算書(Distribution Statement)、DSです。DS上では、今期の株主資本に対する還元額(配当額)をターゲット利益として設定し、それを超える付加価値については、分配可能余剰額として社中に分配します。配当レベルの設定には、自己資本配当率(DOE)の考え方を使います。例えば、株主資本が1000億円の場合、DOEを5%つまり50億円を配当額として設定し、それを超える付加価値については、従業員給与/役員報酬/R&Dそれぞれへの分配率を設定し配分するのです。

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図2

例えば、医薬品業界の例では、図3のように、配当額を少し下げるだけで、大幅に従業員給与や役員報酬、研究開発費への分配が改善されます。そして、所得税/住民税などが増えるため結果的には政府に対する分配も増えるのです。

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図3

公益資本主義に基づく公正な社中分配のメソッドともいうべき、付加価値分配計算書(DS)、その詳細な説明は、こちらをご覧ください。

また、上記DSシミュレーターより、実際の財務データを打ち込み、DSを実感いただけます。
ぜひお試しください。