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COMESAインクルーシブファイナンス研修
【活動報告I :ケニアのデジタルファイナンス】 

M-PESA→モバイルバンキング→Digital Finance Plus

2016年2月24日~3月1日にケニアのナイロビでCOMESAファイナンシャルインクルージョン研修を実施してきました。
研修の目的は19ヵ国から中央銀行とマイクロファイナンス機関の代表が集まりより良い法規制監督制度の在り方について議論するというものでした。研修で各国代表の意見を聞いて、またケニアのファイナンシャルインクルージョンの現状を見て印象的だったことを3回に分けてスタッフより紹介したいと思います。


1回目は私、研修企画担当の村上より、ケニアのデジタルファイナンスについてです。

ケニアといえばSAFARICOM社によるM-PESAという携帯電話の電子マネーが普及していることで有名です。調査(参照サイト)によるとケニア国民の3割がM-PESAを使っていること、ケニアGDPの4割にあたる額がM-PESA送金システム上でやりとりされるようになったそうです。

私も研修準備の為に1ヵ月半の間ナイロビに滞在しましたが、そこではM-PESAの便利さを実感する場面が多くありました。
M-PESAはとにかく

  1. 早い(即時決済)
  2. 正確
  3. 安い

ということです。知人に送金する際は電話やSMSで連絡をとりながら行うことが多いのですが、送金ボタンをクリックしてから相手が受領のメッセージを受け取るまで、ものの5秒で完了です。また、送金側が操作を間違えない限りシステムエラーは殆どありません。また手数料も送金額の1.5%と少額です。(例えば、私が4,200円相当のケニアシリングを知人に送ったときは61円の手数料でした。M-PESA手数料についてはこちらから詳細をご覧いただけます。)この安心感と信頼がM-PESAの立場を強固にしたのではないでしょうか。

ケニアの人々の日常では、

  • 酪農農家が近隣住民に牛乳1-2リットルで数10円ほど)を売った際の支払いをしてもらう
  • 社員食堂でのランチ購入の支払い
  • パソコン修理のおつかいをお願いした時に修理業者に経費を支払う
  • レストランの予約の際のデポジット支払い
  • レストラン経営者が従業員の給料を支払う

など、10円くらいの少額送金から1万円以上の送金など様々な形態で日常的に利用されているのです。

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M-PESAを活用した金融サービスではM-shwariというものがあります。
M-shwariでは携帯電話上の銀行口座で少額の融資を受けることと、貯蓄をすることができます。このサービスに与信判断の際にプリペイド携帯クレジットの使用履歴データを活用し、融資コストとリスクを著しく削減したという特徴があります。
また、M-shwariの口座はM-PESAの口座と一括管理が可能で、口座維持費も必要ないので気軽に開設できます。

私も実際に使ってみて納得したのが、初回の融資は数100円程度のごく少額から始まるということです。小規模な融資で信用情報を築き、段階的に融資枠を増やすという手法はマイクロファイナンスの基本でもありますが、携帯電話だからこそできる100円レベルの融資には大変感銘をうけました。

さらにモバイルマネーのサービスを活用して発達しているのが【Digital Finance Plus】です。
CGAPによるDigital Finance Plusの定義は”基礎インフラや教育等へのBOP層のアクセスを改善するためのモバイルまたはその他の電子決済システムの活用“となっています。

ケニアでの研修中は再生エネルギー分野のM-KOPA, Angaza designや水分野のGrundfos Lifelink Projectや農業分野のACRE Africaを訪問することが出来ました。
訪問企業4社のロゴ

フィールドビジットの様子

ACRE AfricaはKilimo Salamaとして有名になった農業種子保険の仕組みを事業ベースで確立しようとしている団体です。

Kilimo Salamaについては下記のリンクからご覧いただけます。
TED Salon Berlin 2014 「農作物保険- 種をまく価値のあるアイデア」ローズ・ゴスリンガ(動画・字幕あり)
Kilimo Salama Video(動画・英語)

ケニアを始めとする東南部アフリカでは人口の70%が小作農家としてメイズなどの穀物を育てています。農作物は彼らの食糧源であると同時に主収入源でもあり、作付け後の旱魃は農村人口の大部分が少なくとも一年間は食糧難と貧困に陥ることを意味しています。しかし、小作農家の種子予算は小さく、高コストの従来の保険システムではこのような需要に対応することができませんでした。

そこにサテライトと携帯電話送金の技術を活用してコストを著しく下げたのがACRE Africaモデルです。通常の保険サービスで最もコストのかかる業務である顧客のスクリーニングと査定と支払い(保険料の払い戻し等)をテクノロジーで解決することに成功したのです。

ACRE Africa を含むDigital Finance Plus分野の企業訪問については6月12日開催予定の研修報告会で詳しく報告させて頂きます。
報告会について詳細・お申込はこちらからご覧ください。

次回の活動報告ではケニアの起業家精神について紹介します。どうぞお楽しみに。