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マイクロファイナンスコース体験談

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コースに参加した理由は何ですか?
以前、国際NGOプランの職員として中国農村部で働いていたころから、その地域の人々がビジネスを通じて自立し、地域に持続的な発展をもたらすことを応援したいと考えておりました。その後、ビジネスを学ぶために金融機関で働いていたので、金融を通じて現地起業家を支援するマイクロファイナンスを勉強したいと考えていました。

アライアンスフォーラム財団のマイクロファイナンスコースは、BRAC大学と提携し、MFI(マイクロファイナンス機関)だけでなく、CGAP(Consultive Group to Assist the Poor)、バングラデシュ中央銀行など、あらゆる方面の第一人者から実践に基づいた授業が受けられ、座学とフィールドワークがバランスよく組まれているので参加したいと思いました。

コース内容や現地視察で印象に残っているエピソードを教えてください。
ユヌス総裁にお会いした際には、まず会議室がその落ち着いた威厳で満ち溢れていくのに圧倒されました。クラスメートが、「社会を変革したいと思っても、政治の腐敗にはばまれて力感を感じるバングラデシュの若者に何をおっしゃっていただけますか」という質問をしたのに対して、「パーフェクトな環境などない。どのような環境でも、各人が少しずつ実行することで世界は変わる。」と目に力を入れておっしゃっていたのがとても印象的です。教室での授業は、経験と専門性豊かな講師陣が様々な切り口からマイクロファイナンスを紐解いてくださり、あきることがありませんでした。たとえば、通常のマイクロファイナンスでは取り残されがちな最貧困層に対するBRACやグラミンなどの取り組み、バングラデシュとアフリカやラテンアメリカの国々におけるマイクロファイナンスの特徴の比較、政府によるマイクロファイナンスの規制などです。

コースに参加したことで、帰国後の仕事や活動がどのように変わりましたか?
帰国後、私は貧困地域におけるソーシャルビジネスにますます関心を持つようになり、仕事外の時間を使って、貧困地域におけるソーシャルビジネスに関するイベントや情報発信の活動をするようになりました。そして、上記のようなことを本業にすべく現在の所属に転職をし、このコースで出会ったクラスメートと現在は同志として一緒に働いています。

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コースに参加した理由は何ですか?
私自身がバングラデシュの隣国であるミャンマーの南部地方の小さな都市で水産食品の加工会社に2003年から2007年まで駐在をしていたのですが、在期間は、物資の貧しさだけでなく金融インフラの貧しさにも驚き、辛い気持でおりました。駐在を終え、日本に帰国した後もミャンマーの発展や貢献について考えている日々の中で、アライアンスフォーラム財団のマイクロファイナンスコースの募集を知りました。

それまでは、バングラデシュでマイクロファイナンスについては発展していることすらほとんど知らなかったのですが、ミャンマーの隣国であり、経済発展度合いもほとんど変わらない国で、どのような背景でバングラデシュ独自のマイクロファイナンスが誕生し、発展していったのか、そしてそれはミャンマーにも適用できるものなのかをこの目で確かめたいと強く思い、コースの参加を決めました。

コース内容や現地視察で印象に残っているエピソードを教えてください。
コースプログラムは講義とフィールドトリップのバランスが良く取れていたと思います。毎日を刺激的に過ごすことができました。 フィールドトリップでは、地元の人々の様子を伺うことで、バングラデシュの社会全体にマイクロファイナンスが色濃く浸透していることを強く感じました。
フィールドトリップで出会った子供達の真っ直ぐで無邪気な目の輝きは今でも強烈な印象となって自分の記憶に強く刻まれています。後に、趣味で絵本を作成したくらいです。

コースに参加したことで、帰国後の仕事や活動がどのように変わりましたか?
私は2006年に当時駐在していたミャンマーの南部地方で、ボランティア団体を立ち上げて、地域の学校や孤児院への寄付活動を主体に現地のメンバーと活動を行っているのですが、コースに参加した後は、隣国でのダイナミズムをとにかくミャンマーの人へ伝えたい、とにかくこの感動と興奮を早く届けたいという気持ちに駆られました。

その後、その年の暮れにミャンマーへ渡航し、実際にボランティア団体のメンバーや興味のある学生達を集めてセミナーを行いました。 ミャンマーの南部地域では生活インフラはもとより金融インフラもほとんど整っていないのが現状で、実際にセミナーに参加した人達からは、マイクロファイナンスについて聞いたことがあるといった反応が一部で聞かれる程度の反響でしたが、そのセミナーから数カ月して、ミャンマーの現地の人達の自らの手によってマイクロファイナンスを実験的に運営し始めていることの報告を受けました。

もともと法人化、正式なライセンスの取得など、乗り越えなければならないステップは数多くあり、今はまだ小さなスタートですが、確実な一歩を踏み始めた彼らの主体的な活動を私自身これからもできる限り多くのサポートをしていきたいと思っています。 また現在、私の現在居るプラスチック製造業においては、もちろんマイクロファイナンスとはほとんど接点がない状態ですが、コースに参加して見聞したことは社内で報告会を開催し、社内スタッフに共有をしました。決して大きな反響とは言えませんでしたが、社内の社会的問題に対する意識が少し高まったような気がしました。

最後にマイクロファイナンスコースに参加して一番ありがたく感じていることは財団の皆さんや参加者の人々との出会いです。参加者一人一人が職種や業界は違いながらも、社会的問題に強く感心を持ち、真摯に努力されている姿に感銘を受けました。コースの参加者とは2年という月日が経過しても旧友のように接し、切磋琢磨し合える関係で居られることに本当に感謝しています。

マイクロファイナンス参加者体験談3

コースに参加した理由は何ですか?
現在、バングラデシュの農村で女性たちの収入向上をサポートする活動を行っています。
その中で、女性たちが起業したり、収入創出活動をしていくにあたり、資金調達をどのように行っていくかを考えていました。また、実際にマイクロクレジットを活用している女性たちが、資金以外のリソースをどのように調達しているのか、収入を得るにあたって直面する課題や、それをどうやって乗り越えているか方等を学びたいと思い、参加を決めました。
BRACは非常にユニークな世界最大級のNGOであり、BRAC大学で学ぶことができるという点にも興味がありました。また、座学だけでなく、フィールドに数多く行けることも魅力でした。

コース内容や現地視察で印象に残っているエピソードを教えてください。
クレジットだけでなく、マイクロファイナンス全体の必要性や仕組みを学ぶことができました。金融関連のサービスを低所得者層に提供する必要性や提供の際のポイントがよく理解できました。
視察訪問したマイクロファイナンス機関では、サービス提供団体の女性スタッフと、それを受ける女性たち双方が、仕事を通じて精神的にも自立し、自信を持って働いている姿が印象的でした。
一方で、融資を受けたからといって事業を始めることができる女性は多くはないという印象も受けました。
「雇用を通じて収入を得られるのであれば、そういった選択肢も増やしていく方が良いのではないか」という考えから、実際にマイクロファイナンス提供団体も、小中規模事業者への融資やビジネスサポートを提供しているという内容は興味深かったです。
バングラデシュのNGOは、サービス提供の持続可能性を強く意識して事業を展開している姿勢が、多くの日本のNGOとは異なっており大きな学びになりました。またNGOだけでなく、ビジネスを通じて社会的インパクトを狙っている方のお話を伺えたことも、非常に刺激になりました。

コースに参加したことで、帰国後の仕事や活動がどのように変わりましたか?
私が日頃活動している地域にも、現地のNGOが様々なサービスを提供しており、スタッフの多くは女性です。私たちが支援している女性たちと、今回出会ったようなNGOの女性たちとのネットワークを強化したいと思いました。農村の女性たちがNGOからのサービスを受けたり、NGOのスタッフとして働いたり、情報交換をすることで刺激をもらい機会を掴んだり・・・女性たちが社会との関係性を強めることで、家族だけに依存しない環境を整え、地域の生態系の中で収入を得て、エンパワメントされていく社会を創ることにつながるのでは、と考えています。
また、私自身のキャリアとしても、持続可能な体制でステークホルダーが裨益を受けられるような事業を展開してみたいと思うようになりました。本コースの参加者の方々と、事業展開についてディスカッションができたことも良い刺激になりました。

参加者の声

J.Yさん (30代、男性、マイクロファイナンス関連企業)
将来的に国際開発分野に従事したいと思いながら、当時金融機関に勤務していた私はその時から、マイクロファイナンス(MF)業界へのキャリア志向を持ち始めました。
2011年アライアンス・フォーラム財団主催のMF研修に参加し、バングラデシュにて、座学によるMFに関する網羅的な知識習得およびフィールドトリップによるマイクロファイナンス機関(MFI)訪問や顧客訪問などの実務見学を行いました。その後、金融コンサルティング、途上国ビジネスコンサルティングを経て、現在はMFI投資ファンドに勤務しています。スリランカで現地パートナー達とMFIを立ち上げ、農村部の金融アクセスを必要とする女性のビジネス支援・生活向上のための資金提供を行っています。アライアンス・フォーラム財団での充実したMF研修内容が、今現在日々の実務の基礎になっています。
T. Sさん (20代、男性、IT系企業)
私は学生時代から持続可能な開発に興味があり、調べている折、マイクロファイナンスを知りました。貧困層の支援を行いつつ、
利子を取ることで、持続可能な支援を目指すモデルに惹かれ、さらに勉強したいと思い、研修プログラムに参加しました。
プログラムで印象に残った点は、実際のマイクロファイナンス利用者へインタビューができる点です。文献などを読んで、知識を付けることは可能ですが、利用者の声を 聴く機会は多くないので、とても貴重な体験でした。また、利用者のビジネスについても見学する機会があり、実際にローンの使い道を見て学ぶこともできました。
研修後も、マイクロファイナンスの情報は定期的にチェックしており、研修で得たことを、国内の人に伝えるため、イベントを開催しました。現在は、国際支援とは異な る職業ですが、いつか国際支援のキャリアを歩みたいと思わせてくれる体験となりました。

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