代表メッセージ
1990年から現在に至るまで、日本人の平均給与は370万円台で全く伸びておらず、OECD加盟国の中においても平均以下になってしまいました。世界全体を見ても格差拡大に歯止めがかかりません。これらは、「会社は株主のもの」と考える株主資本主義が浸透してしまったことに起因します。もし会社が株主のものだとすれば、会社の事業は株主のために行われ、生み出した利益も株主だけのものです。さらに、株主は会社に対して、短期で大きなリターンを要求するので、利益を出すまで時間を要する研究開発などが蔑ろになり、結果として実体経済主体の社会から金融経済主体の社会に転換し、世界経済衰退に繋がるのです。
この状況を打破すべく、本来あるべき資本主義の姿として提唱したものが公益資本主義です。会社は、株主や経営者だけのみならず、従業員や取引先、地域社会、ひいては地球環境などの「社中」全体と事業を通じて調和し、協力し合うことによって社会に貢献します。そして社会に貢献するからこそ、利益を生み出すことができます。つまり、「会社は社会の公器」であり、生み出した利益を「社中」に公正に分配し、社会の永続的な発展に寄与していく必要があるのです。
昨今、株主第一主義の見直しが進んできましたが、格差是正や健康な社会は未だ十分に実現出来ておらず、世界中で戦争や紛争、感染症、人口減、高齢化、エネルギーの確保、食糧の自給、円安・為替などの新たな問題が山積みです。これらの問題の解決の糸口は、公益資本主義が描く道筋上にあります。日本から公益資本主義を全世界に示し、日本が率先して世界の諸問題を解決する模範例を示せば、日本は世界が憧れる国になれます。是非私たちと志を共にし、この地球上で共に歩みを進めていきましょう。
アライアンス・フォーラム財団
会長 原 丈人
