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講義レポート 明治学院大学

アライアンス・カレッジ(講義レポート) 2020年10月08日

途上国事業部門(AFDP)の原孝友です。今回は明治学院大学菅正広教授のゼミ「国内外の貧困削減と日本の役割」の1コマを頂き「アフリカでの貧困削減への取り組み」について、10月8日に講義を行いましたので報告致します。 菅正広教授はグラミン日本の会長も務められている方です。「グラミン」とはバングラデシュで「村」を指す言葉で、グラミン日本はムハマド・ユヌス氏が創設したマイクロファイナスを行うグラミン銀行の日本版の組織です。 ゼミでは、マイクロファイナンス、ソーシャルビジネス、企業・金融機関・政府・個人の果たせる役割等について学んでおり、今回は私が考えている「社会の発展(繁栄)」の考え方を軸に、途上国事業部門(AFDP)が行う事業の1つであるザンビアのスピルリナプロジェクト(栄養改善事業)を中心に貧困への取り組みをお話しました。 社会の発展(繁栄)には、「理念の実現」「経済社会の成長」「構造・制度の改革」「技術の活用」の要素が関係していると考えており、「公正で豊かな社会を実現する」という理念によって、他の要素をしっかりと方向付けること、「経済社会の成長」だけでは、世界の格差構造の関係を解決できないこと、そのために「構造・制度」を改革することが必要であり、また「技術の活用」によって「経済社会の成長」や「構造・制度の改革」を支えること等をお伝えしました。

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(スライド1:社会構想)

こうした考えを基に実際の私達の取り組みの事例として、ザンビアのスピルリナプロジェクト(栄養改善事業)を取り上げました。慢性栄養不良を解決し現地の人々と豊かな社会を実現するための対話の仕方や、慢性的栄養不良が生じる社会構造上の課題、社会に適した技術協力の在り方、プロジェクトを進める上で直面するジレンマ、持続的かつ広く展開可能なビジネスモデルを作る上で考慮すべき点等について、学生の皆さんと意見交換を行いました。

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(スライド2:スピルリナプロジェクト・栄養改善)

コロナの状況で表情が伝わりにくいことも懸念しておりましたが、学生の皆様から積極的に質問やご意見などを頂き、ザンビアの格差原因は何か、スピルリナビジネスモデルの課題、ザンビアの市場、マーケティングの仕方、コロナ禍における社会の変化等について質問を頂きました。

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(写真:講義風景)

なお、途上国事業部門(AFDP)では、「アライアンス・カレッジ」として大学・大学院向けの講義や企業向けプログラムを常時受けつております。次回は東京農工大学「理系研究者ビジョナリープログラム・イノベーション推進特別講義」を実施予定ですので、また近況を報告致します。 それでは引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

(文責:原孝友)