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バングラデシュでマイクロファイナンスを学ぶ -3-

リキシャとホルタル

今日はダッカの街の様子についてお伝えしたいと思います。
研修の間、本来であればホテルからBRAC大学までの道のりはバスで移動する予定だったそうです。しかし今日もBRAC大学まで、16人の参加者はリキシャと呼ばれる人力車でムカデのような長い列を作りながら、大学へ向かいました。

人力車は京都などでは観光の一部となっていますが、ダッカ市では重要な移動手段であり、低所得層の重要な収入源となっています。都市部での交通設備は(思っていたよりも)整備されているものの、頻繁に起きる停電によって信号や街灯が消えるため、非常に移動がしにくいのです。地下鉄が通っていないため人々は車やバスといった交通手段に頼っています。そのため、帰宅ラッシュ時には、交通渋滞が起こり、道路がマヒしてしまうこともあります。しかし人力車は2人(無理やりつめれば3人)乗り用の移動手段で、小回りもききます。車が通れない道もすいすい進めるので、バスからでは見ることのできなかったであろう町並みを見ることができました。
バングラデシュ_リキシャ
リキシャのほかにもCNGと呼ばれているリクシャーという三輪自動車や公営バスもあります。
バングラデシュ_リキシャから見るスラム道
写真:リキシャから見るスラム道

今回移動にバスを利用しなかった理由としては、バングラデシュ全国でホルタルが起きていたからです。
ホルタルとは南アジア地方で行われる大規模なストライキのことです。南アジアの言語ではストライキという意味で、現政権や政策の不満、または政治的デモの一環であり、暴力的な活動をしばしば伴います。バングラデシュではホルタルによって社会経済や政策に大きな影響を与えるため、ホルタルという事象がバングラデシュの政治不安定を表していると言えます。

ホルタルが起こると、労働者は仕事へ行くことができなくなり、経済活動がストップします。また、運搬業のストライキは流通業や販売業者なども物流が止まってしまっているため営業ができなくなります。このような背景は、外国の企業がバングラデシュに投資をするのをためらう一つの理由だと言われています。バングラデシュではホルタルは主に大統領選挙前と1971年の独立戦争時における戦争犯罪人に対する裁判に大きく関わっていいます。
今回のホルタルでは、研修の始まる2日前に野党のイスラム協会(Jamaat-e-Islami Bangladesh)の指導者でもあるモチール・ラーマン・ニザミ氏と ミア・ケサム・アリ氏の処刑が発表され、これに反対するためにホルタルとなりました。幸い、今回のホルタルは、今までのものより規模が小さく街はとても静かでした。

これからも気を引き締めて、BRAC大学へ向かおうと思います。